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狸男の小説
狸男は会社をやめて小説を書き始めた。
狸男にとって書くことは自分の無知を知ることだった。
小説を書くことで世界の厚みを感じることが出来た。
何より、狸男の書いた話は彼を笑わせた。
世界のへそから吹き出してくるようなそんな笑いで満ちていた。

ある日の新聞に彼の書いた小説を読んで笑い死にした政治家のニュースが載った。
狸男は驚きあきれたが、やっぱり笑えて仕方がなかった。
その後も狸男は書き続けた。
指が腕より長い男の話や、地球よりでかい尻を持つ女の話や、自分の胃袋に住んでる食いしん坊の話を書いた。

そんな狸男の元に一人の娘が現れた。
娘はたいへん怒っていた。
狸男が理由を尋ねると娘は狸男が自分の笑いを盗んでいると言うのだった。
狸男は娘の頭がおかしいのだと思って相手にしなかった。
実際娘は少し頭がおかしいらしかった。
狸男の小説に笑いを全部奪われて、普段は怒るか泣くことしか出来なくなったというのが娘の言い分だった。
娘があまりにもしつこいので、狸男はその場で思いついた笑い話を書き付けたメモを手渡した。
娘はそれを読むと笑いながら帰っていった。

あくる日には、肉屋の主人が泣きながらやってきた。盗んだ笑いを返せという。
次の日には収税人が、また次の日には居酒屋の女主人がという具合に、毎日誰かがやってきた。
戸口で泣いたり怒ったりしては、笑い話を受け取って帰っていった。
とうとう話のネタが尽きた狸男は、恋愛小説を書くことにした。
そしてそれ以来、狸男の家に訪ねて来るものはいなくなった。
| 昨日の作文 | 18:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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