CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
CATEGORIES
ARCHIVES
ついった
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

最近の昨日

今日のことは明日書くとして
<< 太陽がいっぱい | main | 一日一箱 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
ナイフ投げの話
ある村にナイフ投げの名人がいました。
村のはずれの小さな家に一人で住んでいたのです。
ナイフ投げの食事はとても質素なものでした。
興行のあった日に大きなパンの塊を買っては、毎日少しずつナイフで切って食べていました。
パンをきるとき、床にはパンくずが落ちました。
よく切れるナイフでしたが、それでも芥子粒のようなパンくずが散らばっていました。
ナイフ投げはナイフの扱いしか知らなかったので、部屋の中で鳥を飼うことにしました。
鳥はパンくずをきれいに食べました。
その代わり、時折部屋の中に鳥の糞を落としました。
ナイフ投げは、鳥が糞を落とすたび、ナイフで刺して鳥を食べてしまいました。
ある日、一羽のカナリヤがナイフ投げの小屋に現れました。
虫の知らせでも聞いたのか、パンくずを食べにやってきたのです。
カナリヤはパンくずを食べると、自分から鳥かごの中に入りました。
ナイフ投げは不思議に思いましたが、そのままカナリヤを飼うことにしました。
カナリヤは頭が良かったので、パンくずを食べても小屋の中では決して糞をしませんでした。
ナイフ投げもカナリヤのことがすっかり気に入るようになりました。
その年、村には穀物の収穫が少ししかありませんでした。
パンの値段が上がり、ナイフ投げの食べるパンは日に日に小さくなっていきました。
それでも、ナイフ投げはいつもと同じだけパンくずを落としてあげました。
けれども次の年、とうとう村に飢饉が襲いました。
ナイフ投げにはカナリヤの他に食べるものがなくなってしまいました。
ナイフ投げは決心してかごの中のカナリヤを捕まえました。
ナイフ投げが首をひねろうとしたとき、カナリヤは人間の言葉でこう言いました。
私はいつもあなたの小屋を綺麗にしてきました。
だからあなたは蚤や穢れや悪い病気に悩まされずに、今日まで過ごして来れたではありませんか。
私を食べたところで、あと何日生きながらえるというのでしょう。
それでも私を食べるというのであれば、どうか最後に別れの歌を鳴かせてください。
ナイフ投げはたいそう不憫に思い、カナリヤを籠に戻してやりました。
カナリヤは涙を流しながら美しい詩を歌いました。
カナリヤの歌が終わらないうちに、ドアを叩く音がしました。
ナイフ投げがドアを開けると、王宮に使える従者が立っていたのです。
従者は美しい歌声の主を見せるようナイフ投げに命じました。
ナイフ投げが従者にカナリヤを見せると、従者は喜んで言いました。
これこそ、私が探していたカナリヤです。
お城から迷い出て、よもや生きてはいまいとあきらめていましたが、探しあてることが出来たのは神の導きに違いない。
こうして、ナイフ投げとカナリヤは王宮に召されることになりました。
カナリヤが言葉を話すはずはないとお思いになるかもしれません。
もしカナリヤが言葉を話さなければ、あなたの食べ残したそのパンは、いったい誰が切り分けたものだというのでしょう。
そう諭された幼い王子様は、自分の取ったパンを残さず綺麗に食べました。
王子様が落としたパンくずは、今もカナリヤがついばんでいるという事です。
| 昨日の作文 | 10:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 10:57 | - | - | pookmark |









http://marceau.jugem.jp/trackback/129