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ヴィデオドローム
カナダ(1982)
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:デヴィッド・クローネンバーグ
撮影:マーク・アーウィン
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:ハワード・ショア
出演:ジェームズ・ウッズ、デボラ・ハリー
デヴィッド・クローネンバーグの映画は、憶えてないくらい前に『ザ・フライ』を観て、学生時代に『裸のランチ』を観たくらいだ。もちろん、その頃の私は監督の名前など気にしたことはなくて、ずっと後になってからあの作品もそうなのかという程度だった。

ヴィデオドロームは町山智浩の本を読んで知った。ずっと気になっていたんだけど、借りようと思った時には在庫がなかったり、映画史には重要な作品でも、意味不明でエキセントリックな映画なんだろうなという先入見があったので、もう一つ食指が動かなかった。

で、昨日初めて見た。面白かった。

海外から過激なポルノ映像を買い付け、国内に販売する会社で働くプロデューサーが主人公の話で、裏で電波を傍受して入手した映像から海賊版を作る仕事にも手を染める。

傍受した映像にマレーシアが発信源らしい「ビデオドローム」という番組を発見する。

女を拷問し、惨殺する過激でリアルな映像に目をつけるが、やがてその発信源がマレーシアではなく、米国のピッツバーグであることが判明する。

とてもサスペンスフルな導入だ。リングのアイデアは実はこの映画だったんじゃないのか。

現実なのか妄想なのかわからなくなってくる映像や編集も、意味不明になるぎりぎりのところで物語が語られていくため、テンションが持続していて、決して長尺な映画ではないにしても、最後まであっという間に過ぎてしまう。
| 昨日の傑作選 | 13:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
寡黙な男の話
寡黙な男がいた。
男は出向先で土木建築機械の受発注システムを開発する仕事に携わっていた。
一人の上司と一人の同僚と五人の部下が一緒だった。
セキュリティ対策のため作業用のパソコンは全て出向先の会社が用意した。
客先の総務の女が作業場所のパーティションや作業用のパソコンを管理していた。
小柄で品のある女だった。
知性を帯びた声でいつもはきはきとしたしゃべり方をしていた。
すれ違うときには必ず気持ちの良い挨拶をした。
女はたびたび男のいる部署に出入りした。
あるときは発行されたメールアカウントを知らせに来た。
あるときは提供されたパソコンの型番などをメモに取っていた。
あるときは誰だかの旅行土産をお裾分けにやってきた。
女は用事を済ませた後もよく何か言いそびれたようにして立ち去った。
時には一言二言話しかけることもあった。
普段は口数の少ない男もその女に対しては気の利いたことを返すように心がけていた。
男はその口数ほどには女に対する熱情は少なくなかったのだ。
そうやって三カ月が過ぎようとしていた。
あるとき、たまたま帰りのエレベータが一緒になることがあった。
お疲れ様ですと女は相変わらず元気の良い挨拶をした。
男はお疲れ様ですとだけ答えてしばらくあれこれと考えた。
エレベータは七階に着いた。
女に促されるまま男は先に乗った。
女が乗りドアが閉まると男は聞いた。
「一階で?」
「はい、お願いします。」
エレベータが動き出した。
男は思い切って尋ねてみることにした。
「最近出たシンディーローパーのベストアルバムって何てタイトルだっけ。」
「え?」
「シンディーローパーのベストアルバムだよ。知らない?」
「ええ。」
「何とかベストって名前なんだけど、超だったか、スペシャルだったか、なんかそんなたいそうなのが頭につくんだけど。」
「え、なんだろう。」
「超のさらに上って何だっけ?」
「究極かな。」
「それだ!究極ベスト。ありがとう。すっきりした。」
男は必死だった。
幸い女の反応はまずまずのようだった。
エレベータは途中でどの階にも止まらず一階に着いた。
男は三角が背中合わせになったボタンを押しながら話を続けた。
「今日少し時間ある?」
女はエレベータを降りて男を待った。
「十時に人と会う事になってるんだけど、それまでまだ時間あるし一緒に食事でもどう?」
女はあまり間をおかずに答えた。
「いいですよ。」
よし決まり。これで行こう。
男がそう決心した時、エレベータが七階に到着した。
扉が開くと女がそそくさと中に入った。
男も女に続いてエレベータに乗った。
やや遅れて同僚があわてて乗り込んできた。
ありきたりな挨拶を交わした。
エレベータは途中で二回ほど止まった。
| 昨日の作文 | 13:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ブロンドの恋
チェコスロヴァキア(1965)
監督:ミロス・フォアマン

ミロスフォアマンってエリッククラプトンのような存在だった。

また、よくわからない例えで恐縮だが、ああ『アマデウス』の監督ね。で済ませてしまいがちだった。

が、先日『宮廷画家ゴヤは見た』(邦題に問題ありだが)を観て、いやいやフォアマン見過ごしてはまずいなと。

チェコ時代のフォアマンの作品が良いとは聞いていたが、観れば納得である。

面白いの一言に尽きる。32年生まれだからこの映画を撮ったのは33ってことか。若いエネルギーがあふれているようで、それでいて人間観察は鋭くて深いんだよな。20代じゃなくて良かった。何だそれ。

『アマデウス』が傑作なのは天才が天才を描いたからなんだと。考えてみれば、『カッコーの巣の上で』もファオマンなんだよな。

観ないと損する。といいたくなる良品。モノクロで88分。尺がまたいい。
| 昨日の傑作選 | 18:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ストレンジャー・ザン・パラダイス
ジャームッシュの初期三部作は全部買いだ。ヴェンダースのようでいて、ヴェンダースよりずっと卑俗で、文学的であって哲学的ではない。

救いようのない日常をあっけらかんと笑い飛ばすようなところがあって、それはコーエン兄弟に対するファレリー兄弟の関係に似ている。

その例えもどうかと思うんだけど、内省的じゃないんだよな。たぶん。

ここで内省的といってるのは、出来事を一旦整理してそこから意味を汲み取るような作業のことを言ってるんだけど、ジャームッシュはむしろ無意味から出発しているような、それでいてちゃんと娯楽として面白いと言う稀有な監督だと思う。

しかし、これは初期の作品に当てはまることであって、『ゴーストドック』や『ブロークンフラワー』になってくると変わってくる。と思う。全部面白いんだけどね。

でも本当は私なんかがジャームッシュに対して言えるようなことはほとんどなくて、思いついたことを無反省に書いてみただけだ。

なのであとは観てもらうしかない。何だこの感想。ちなみダウンバイローからストレンジャー、パーマネントと辿るのがよろしいかと思う。

『パーマネント・バケーション』
アメリカ(1980)
監督:ジム・ジャームッシュ
原作:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:ジェームズ・A・レボヴィッツ
音楽:ジョン・ルーリー、ジム・ジャームッシュ
出演:グリス・パーカー、リーラ・ガスティル、ジョン・ルーリー

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
アメリカ/西ドイツ(1984)
監督:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:トム・ディチロ
音楽:ジョン・ルーリー
出演:ジョン・ルーリー、エスター・バリント、リチャード・エドソン

『ダウン・バイ・ロー』
アメリカ/西ドイツ(1986)
監督:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ジョン・ルーリー
出演:トム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニ
| 昨日の傑作選 | 12:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
デカメロン・アンド・シガレッツ
昨日紀伊国屋で「空気の読み方」という本を見つけた。
手に取るのに勇気が必要だったが戻すときにはもっと必要だった。

先週池袋で思い切ってナンパした。中国人の女の子だった。
メアドを交換した。翌日早速メールが来た。
「あなたはパスクンは安いといいました。私にパスクンあげますか。」
もうメールしないでくれと返事を返したら、Off course!と返ってきた。

死にたい、と思えたらなと思った。

ネットのニュースで福山雅治がスーパーモデルと並んで映ってる画像があった。
福山より背が高かった。
福山より顔が小さかった。
姉に「スーパーモデルに生まれたいよな」といったら、別に、と答えた。
スーパーモデルにはスーパーモデルの苦労がある。
妙に納得した。

最近、タバコを吸うようになった。
今朝も早く家を出て、会社の近くの公園で『デカメロン』を読みながらタバコを3本吸った。
人生がちょっと楽しく思えそうな気がした。
| 昨日の作文 | 11:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ソドムの市
イタリア(1975)
監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
原作:マルキ・ド・サド
脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ、セルジオ・チッティ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
音楽:エンニオ・モリコーネ

パゾリーニの作風は好きですね。

エロさグロさや下品さが炸裂してるんだけど、製作ノートを読むとそれが単なる欲望の先鋭化なのではなくて、農民文化との出会いがあったことが解る。

たとえばドラえもんなんかだとのび太のわがままの果てにその報いを身に受ける教訓めいたオチがつくんだけど、パゾリーニではそうは行かない。

欲望がエスカレートしていくという風でもなく、人間のダークな部分が理由もなくそこにただあることが描かれる。

高橋源一郎の言葉を借りると、眼を覆いたくなるような人間の汚い部分に対して、ただ遊んでみる。

都会的な文明という検閲を施すことなく、それこそ糞尿を素手でつかむような感覚で遊んでいる。


『デカメロン』
フランス/イタリア(1970)
監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
原作:ジョヴァンニ・ボッカチオ
脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影:トニーノ・デリ・コリ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:フランコ・チッティ、ニネット・ダヴォリ

これもやっぱり、セックスと糞尿の饗宴とまでは行かないけど、卑猥で下品で不敬な作品。

パゾリーニの映画を私が絶対に勧めない人たちがいて、それは食事中の人とキリスト教の信者である。

敬虔な人なら最後まで観るに耐えないだろうし、それほどでもない人は背教してしまうかもしれない。

それくらいパゾリーニの映画はキリスト教に対して幼稚でそれだけに強烈なアンチテーゼとなっている。

名画を観賞しようなどとは考えず、ただただパゾリーニと一緒になって、人間の本能の一面と遊ぶことをお勧めする。
| 昨日の傑作選 | 13:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
矢継駿の社長ブログ
My Do!矢継です。

いきなりだけど。

人の本質は変わらない

よく聞くよね。

俺もそう思ってた。

今の会社始めるまでは。

だけどそんなの真っ赤な嘘

今日はそんな話。

みせコムの新入社員はみんな一度は生まれ変わる

もちろん人によって個人差はある。

でも遅いやつでも一年以内に変わる。

もうこれは絶対

出来るヤツが正当に評価される。

そんなの耳にタコだよね。

でもそれが自分のことだと思ってるヤツは少ない

歩合制という場合、大抵はピラミッド型をイメージする。

収入が多いやつほど小数になると思っている。

まずそこが変わる

徹底的に変わる

なぜ変わるか。

みせコムは逆ピラミッド型だと解るから。

出来ないやつの出来なさの責任が上に吸い上げられる。

誰もいままでそんな会社で働いたことがなかったからだ。

そんな簡単なことが解ってる経営者が少なすぎる。

俺は十年かけて理解した。

決してうぬぼれてるわけじゃない。

昨年度の査定でも手取りの少ないやつほど数が少ない

これ嘘みたいなほんとの話。

天辺にいるやつが増えても大丈夫。

店舗を拡張して社内独立を実現する。

だからみせコムはもつ。

そして年々確実に収益を上げてる。

そのことを体験したときに変わらないやつはいない

部下は個人だけど上司はチームになる。

問題の多いやつほど上に上がっていける。

部下の悩みを聞くやつほど出世する。

人の痛みがわかるやつほど会社を動かせる

こんな当たり前なことが仕事を充実させてる。

仕事が充実してるヤツはプライベートでも成功してる

だから会社は面白い。

本気で変わりたかったら人は変われる。

でも誤解しないで欲しいのは

変化したことも含めて自分らしさって事だ。

今日も最後まで読んでくれて

My Do!おおきに

起業家ブログ
| 昨日の作文 | 13:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ピアニスト
フランス/オーストリア(2001)
監督:ミヒャエル・ハネケ
原作:エルフリーデ・イェリネク
脚本:ミヒャエル・ハネケ
撮影:クリスチャン・ベルジェ
出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル

カット毎の黒み。ワンシーンワンカット。ウィーンを舞台にしない(ハネケはオーストリアの監督)。

ハネケがあたかも事前の約束のように自分に課していた制約を取っ払うと、非常に明快な傑作が出来上がった。

そして本作でカンヌグランプリ(審査員特別賞)と女優賞、男優賞の三冠を達成した。

しかし、である。この映画はとても面白いし、役者も一流だし、切返しも多用されててより映画らしい映画だと思うんだけど、ハネケの最高傑作として挙げるのには躊躇してしまう。

この監督ちゃんと撮ればカンヌでもアカデミーでも一流監督の殿堂入りが出来るだろうにということを地でやったみたいな感じがね、あるんですよね。最も油の乗った絶頂期にベストアルバムを出したみたいなね。

やっぱり、ファニーゲームやベニーズビデオ観た時の衝撃はなかった気がするな。十分衝撃的な内容ではあるけれど。

ハネケのフィルモグラフィが逆の順序だったとしたら、ベニーズビデオや、ファニーゲームでパルムドールでも取れてたんじゃないかと思いますね。それでも傑作には違いないです。
| 昨日の傑作選 | 13:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ラブホテル
ホテルに泊まったんですよ。
そこはラブホテルだったんで、随分怪しまれましたがね。
連れは後から来るって言ったら妙に納得しましてね。
それで疲れてたから部屋に入ってすぐにベッドに横になったんです。
そしたらチャイムが鳴りましてね。
お連れの方が来ましたよって言うんです。
おかしな話ですよ。
ベッドから出るのも億劫だったもんで、大声で言ったんです。
さっき電話で話してたからまだ着くわけがないってね。
そしたらそんはずはないって言うんですよ。
めんどくさくなったんでさっさと済ませようと思ってドアを開けたんです。
そしたらドアの前に女が立ってましてね。
そうです。受付にいたのとは別のやつです。
どこにいるんだって言ったらもう帰ったって言うじゃありませんか。
いい加減にしろって言ってドアを閉めようとしたんです。
そしたらドアをつかんで預かりもんだって携帯電話を差し出してきましてね。
それがものすごい馬鹿力でね。
そんなもの知らないって言ったんですが、さっき電話してただろうって言うんですよ。
ちょっと気味が悪くなったんで見てみたんですよ。着信履歴をね。
そしたら確かに俺の使ってる番号が残ってましてね。
そりゃ驚きましたよ。
だって日付が昨日の同じ時間じゃないですか。
その時分っていやあ、俺があの男を殺るすぐ前ですよ。
火をつけてね。車ごと燃やしたはずなんですがね。
それで恐ろしくなったんでこうやって訪ねてきたんです。
ええ、これがその男の携帯です。
| 昨日の作文 | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
パリ、テキサス
西ドイツ/フランス(1984)
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード、L・M・キット・カーソン
撮影:ロビー・ミューラー
音楽:ライ・クーダー
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー

ヴェンダースの映画で一番好きなものをあげろといわれたら、迷わず『ベルリン・天使の詩』を挙げるんだけど、一番のお勧めはと聞かれたらこの映画を挙げるかもしれない。あるいは人によっては『ハメット』を勧める。

私だけかもしれないけど、ヴェンダースの映画は結末が思い出せない映画が多い。あれってどんな話だっけと考えたときに、大抵結末を思い浮かべるんだけど、思い出せない。

それは多分、ヴェンダースの映画の多くはエンドマークがないというか、明確な着地点が設定されていない。それがロードムービーというものなのかもしれないけど。

でも、この映画は珍しく結末をラストカットまで覚えている。ただし、結末に向けて話が展開しているのかというとそう単純な話でもないらしく、製作ノートを読むと途中で製作費がなくなって撮影が中断しかけたという事情があるらしく、それが少なからず影響しているのかもしれないというのは邪推だろうか。

着地するのである。

イージーライダーもそういえば結末をはっきりと記憶しているロードムービーだ。全く違う話だけど、終わり方は似ているかもしれない。

はい、おしまい。ってかんじで結末が唐突に語られて、終わったあとすんなり席を立てるようなとても親切なつくりになっている。

それではあの結末は不要かというとあっても別段差し支えないのである。

この映画を傑作たらしめているシーンは中盤までにこれでもかというくらいに描かれているのである。

したがってこの映画は文句なく傑作なのである。
| 昨日の傑作選 | 12:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |